脳梗塞を防ぐために


脳梗塞(脳血栓・脳塞栓)とは?

脳梗塞とは、脳の血管がつまって血液が流れなくなり、酸素とブドウ糖が供給されなくなるために脳の組織が死んでしまう病気です。脳の組織が部分的に死滅するため、麻痺や言語障害など様々な症状があらわれます。大きく分けて脳梗塞には脳血栓症と脳塞栓症の2つのタイプがあります。

脳血栓症とは?
脳血栓症とは血管の動脈硬化により脳の血管が細くなり、つまってしまうものです。血管は加齢, 高血圧, 糖尿病などによって少しずつ弾力を失い、血管壁は固く厚くなります。その結果血液の通り道が細くなり血管がつまってしまうのです。

脳塞栓とは?
脳とは別のところでできた血のかたまり(多くは心臓内でできたもの)が、血流に乗って脳まで運ばれて、脳の血管がつまってしまうものを言います。


脳梗塞にはしばしばまえぶれ症状(警告発作)があります

一時的に脳の血管がつまるけれど、脳血流が短時間で再開するため症状が短時間で消失してしまうことがあります。これが、脳梗塞のまえぶれともいえる一過性脳虚血発作です。一過性脳虚血発作の持続時間は数分程度のこともしばしばで、また症状も比較的軽いことが多いため見逃されやすく、放っておくとその約30%は近い将来本物の脳梗塞になってしまうといわれています。現在、一過性脳虚血発作が脳梗塞に進行するのを防ぐためのいくつかの有効な治療手段がありますが、いづれの場合も早期に治療を開始することが最も重要で、そのためにもまえぶれ症状を見逃さないことが重要です。


次の様な症状は脳梗塞のまえぶれのサインかもしれません

●急に力がぬけて箸やペンを落とす
●言葉がうまくしゃべれない、理解できない
●左右どちらかの手足に力が入らない。しびれる
●片方の目が急に見えなくなったり、視野の左右のどちらかの半分が見えなくなる
●急に目が回る。フラフラする


脳梗塞の危険因子を減らしましょう

以下に挙げたものは、すべて脳梗塞の危険因子です。これらの危険因子を持っている「脳梗塞予備軍」の人でも、これら危険因子の病気の治療をしたり、生活習慣を改善することで脳梗塞を防ぐことや、たとえ脳梗塞になっても軽症で済ませることが可能となるでしょう。

高血圧        高血圧は動脈硬化をさらに進行させてしまいます。
●高脂血症       血管の壁にコレステロールがたまって動脈硬化を進めます
●糖尿病        糖尿病は動脈硬化を進めるうえ、血液がドロッとなって血が固ま            りやすくなります。
●心疾患        心房細動などの不整脈が原因で心臓内に血のかたまりができやすく            なります。
●喫煙         タバコは血液の流れを悪くして血圧を上昇させるだけでなく、血            管に障害を与えて脳動脈硬化を進行させます
●飲酒         飲みすぎは危険です。一日一合までが適量で、週2日の飲酒をし            ない休肝日を設けましょう
●肥満・運動不足   肥満は脳梗塞の危険因子である高血圧・糖尿病・高脂血症を引き起            こします。
●過労・ストレス   高血圧・糖尿病・心疾患等を悪化させる危険因子です。趣味を楽し           むことなどで、ストレスをうまく解消する工夫をしてみましょう。